「IT業界って、転職多いよね」——周りからそう言われたことはないでしょうか。
転職が多い業界というイメージは根強いですが、実際の転職率を割合で確認してみると、少し違う景色が見えてきます。「高いと思っていたら、他の業界とほとんど変わらなかった」というのが、数字を調べたときの正直な感想でした。
私はインフラエンジニアとしてキャリアをスタートし、クラウドエンジニアへ転向して年収が大きく上がった経験を持っています。転職支援の現場でも、IT業界で働くエンジニアの相談を数多く受けてきました。その経験をもとに、転職率の実態と、IT業界特有の転職事情をまとめます。
この記事を読むと、「転職率が高い=将来性がない業界」という誤解が解けます。さらに、IT業界の転職がどんな意味を持つのかが整理されるので、自分のキャリアを次のステップへ動かすヒントが得られるはずです。
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結論:IT業界の転職率の割合は、思ったほど高くない
結論から言います。IT業界(情報通信業)の離職率は、全業界平均を大きく下回る水準で推移しています。
厚生労働省「令和3年雇用動向調査」によると、情報通信業の離職率は9.1%でした。これは全16業界中で3番目に低い数字です。同じ調査で全業界の平均離職率は13.9%であることを踏まえると、「IT業界は転職が多い」という世間のイメージとは、かなりかけ離れています。
- 情報通信業の離職率:9.1%(厚生労働省「令和3年雇用動向調査」)
- 全業界の平均離職率:13.9%(同調査)
- 全16業界中、情報通信業は3番目に低い離職率
一方、転職の活発さを別の角度で見ると、マイナビの「転職動向調査2021年版」では、IT業界の同業種への転職率が67.0%という数字が出ています。これは他業界と比べて高い水準で、機械・電気・電子部門や金融・保険部門では同業種への転職率が50%を下回っていることと比較すると、IT人材はIT業界の中で動いていることがわかります。
まとめると、IT業界全体から「外に出ていく人」は少なく、業界内で動く人が多い——これがIT業界の転職率の実態です。
転職が多く見える理由は、業界全体が流動的なのではなく、IT人材が自分のキャリアに対して積極的に向き合っているからです。
転職エージェントに相談するだけで、自分の市場価値や次のキャリア選択肢が一気に明確になります。ぜひ無料相談から始めてみてください。
IT業界の転職率に関するあるある——よくある誤解と本音
IT業界で働いていると、転職にまつわる「あるある」をよく耳にします。転職率の割合という数字だけではわからない、現場の肌感を整理します。
- 「転職率が高い=将来性のない業界」という誤解
- 「3年いたら転職して当然」という暗黙のプレッシャー
- 「転職するたびに年収が上がる」という期待と現実
- 「スキルがあれば転職は怖くない」という油断
「転職率が高い=将来性のない業界」という誤解
IT業界が転職の多い業界だという話になると、「じゃあ将来性がない業界なの?」という疑問が出てきます。これは完全な誤解です。
転職者が多い業界には、大きく2パターンあります。職場環境が悪く人が定着しないパターンと、需要が高くスキルのある人に声がかかり続けるパターンです。IT業界は後者に当たります。


IT業界全体の離職率が低い一方で、求人倍率は高い水準が続いています。売り手市場が長く続いているIT人材は、「今の会社より良い条件の会社がある」と感じたとき、実際に動きやすい環境にあります。転職率が高く見えるのは、それだけIT人材の市場価値が高いということです。
「3年いたら転職して当然」という暗黙のプレッシャー
IT業界では「3年でスキルが固まる」「3年経ったら次のステージへ」という言い方がよく聞かれます。実際、若い年代ほど技術力を高めることを目的とした転職が目立ちます。「今の環境では経験できないことがある」と感じて転職に踏み切るエンジニアは少なくありません。
ただ、この「3年後に転職」という感覚は、IT業界の特性が生み出した文化的な側面が強いです。実際のデータが示す通り、IT業界の離職率は全業界平均より低く、むしろ長く勤める人も多いです。
転職するかどうかより、転職後にどんなスキルと年収を手にするかを先に考えることが重要です。
「転職するたびに年収が上がる」という期待と現実
IT人材の転職理由のうち最も多いのが「給与を上げたかったから」で、30%以上を占めています(IT人材白書2020)。年収アップを目的とした転職が業界全体で一般的なのは事実です。
ただし、年収が上がるかどうかは、スキルセットの方向性によって大きく差が出ます。市場から需要の高いスキルを持っているかどうかが、転職後の年収を左右します。今の自分のスキルが「どこに持っていけば高く評価されるか」を把握せずに転職活動を始めると、期待と現実のギャップに直面します。
「スキルがあれば転職は怖くない」という油断
スキルが高いエンジニアほど転職市場で有利なのは事実ですが、「スキルさえあれば自然と良い条件で決まる」というのは少し楽観的な見方です。
実際には、自分のスキルがどのように評価される職場か、面接でどう伝えるかによって結果が変わります。スキルと交渉力は別物です。転職エージェントを使う理由の一つは、この交渉の部分を補ってもらえる点にあります。


IT業界の転職率が高く見える理由
数字では全業界平均を下回るIT業界の離職率が、なぜ「転職が多い業界」として認識されるのかには、構造的な理由があります。
- 業界内の流動性の高さ
- 転職がキャリアアップ手段として定着している文化
- IT業界特有のピラミッド構造
業界内の流動性の高さ
先述の通り、IT業界の同業種への転職率は67.0%という水準です。IT人材は、IT業界の外には出ず、業界の中で活発に動いています。業界全体の人数が多く、かつ業界内の移動が目立つため、外から見ると「転職が多い業界」に映るわけです。
転職がキャリアアップ手段として定着している文化
IT業界では、転職そのものがキャリアアップの選択肢として広く認知されています。「成長できる環境を求めて動く」という考え方が業界内で共有されており、転職への心理的な障壁が他業界より低い傾向があります。
これは「転職が当たり前」というより、「成長のために動くことが評価される文化」と言ったほうが正確です。
IT業界特有のピラミッド構造
IT業界には、下流の三次請けから二次請け、一次請け、そしてユーザー系・メーカー系と続くピラミッド構造があります。上流に行くほど労働条件が改善される傾向があるため、経験を積んだエンジニアがより上位の企業を目指して動くのは、業界としての必然でもあります。
このピラミッドを上がる動きが、外から見た「転職率の高さ」の一因です。
クラウドエンジニアへの転職と収入の変化
IT業界の中でも、近年特に注目されているのがクラウドエンジニアへのキャリアチェンジです。クラウド関連職種は求人数が伸び続けており、スキルを持つ人材の市場価値は高い水準にあります。
私自身、クラウドエンジニアへ転向したことで収入が大きく変わりました。転職市場でのクラウドスキルの評価は、オンプレミス中心の経験と比べてはっきりと異なります。クラウドの設計・構築・運用を一通りこなせるエンジニアは、企業からの引き合いが多く、転職交渉でも有利に動ける場面が増えます。
IT業界の転職率に関して言えば、「どこへ動くか」がそのまま年収と働き方の差につながります。同じIT業界内でも、クラウド専門のポジションと従来のオンプレ運用とでは、市場での評価が異なります。
自分のキャリアをクラウド方向に伸ばすことを検討しているなら、まず転職エージェントに話を聞いてもらうのが早いです。自分のスキルがどう評価されるか、市場の実態をつかんだうえで方向を決めることをおすすめします。ぜひ無料相談を試してみてください。
まとめ:転職率の数字を確認して、次の一歩を踏み出してみよう
- IT業界(情報通信業)の離職率は9.1%で、全業界平均13.9%を大きく下回る
- 全16業界中3番目に低い離職率——「転職が多い」は誤解
- 業界内の同業種転職率は67.0%と高く、IT人材はIT業界内で活発に動く
- 転職率が高く見える理由は、業界構造・文化・ピラミッド構造にある
- クラウド方向へのキャリアシフトは、収入面で変化が出やすい選択肢
「IT業界の転職率が高い」という話は、離職率の実態とはずれがあります。数字で確認すると、IT業界は他業界より人が定着している業界です。ただし、業界内での流動性は高く、スキルを持つ人材が自分の価値を最大化するために動く文化が根付いています。
転職率の割合を知ることで見えてくるのは、「みんな転職しているから自分も」ではなく、「目的を持って動く人が、IT業界では報われやすい」という構造です。クラウドスキルへのシフトを含め、自分のキャリアの方向性を今一度確認するきっかけにしてください。
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